『転スラ』アプリ&アニメプロデューサー陣+主演声優・岡咲美保さんに聞くこだわりと魅力【後編】

『転生したらスライムだった件』原作のアプリ『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』のプロデューサーと、アニメ版『転スラ』のプロデューサー、リムル役を務める声優の岡咲美保さんにインタビュー。作品に込めたこだわりと『転スラ』愛を前後編に渡ってお届けします。

『転生したらスライムだった件』(以下、『転スラ』)を原作とする、スマートフォン向けアプリ『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』(以下、『まおりゅう』)やテレビアニメ版でのこだわりを中心に伺った前編に続き、後編では『まおりゅう』に込められた『転スラ』愛や、オリジナルキャラクターやストーリーといったアプリならではの魅力について迫っていきます。

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岡咲 美保

『転スラ』主人公・リムル役。2017年にデビューし、翌年に『転スラ』のリムル役にて初主演を務める。複数の作品でキャラクターソングもリリースしている。

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大西 清太郎

『まおりゅう』プロデューサー。バンダイで男児向け玩具の開発に携わったのち、バンダイナムコエンターテインメントにて『まおりゅう』のプロデュースを手がける。

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杉本 紳朗

バンダイナムコアーツ所属。テレビアニメ『転スラ』プロデューサー。他プロデューサーとしての参加作品に『A.I.C.O. Incarnation』などがある。

制作陣のアツい『転スラ』愛から生まれた『まおりゅう』に触れてほしい

――『まおりゅう』ではアニメのエピソードをフルボイスで追体験できるということですが、アニメ用のボイス収録とゲーム用の収録とで、どのような違いがありましたか?

岡咲:ゲームの場合はアニメと違ってひとりで台本と向き合うので、感覚としてはぜんぜん違いました。

ただ、ありがたいことにアニメを先に収録していたので、ガビルは福島(潤)さんがこういう声で演じてらっしゃる、みたいなキャラクターごとの個性みたいなものが私の中で生きていたんです。そういう意味では、会話を想像しやすかったですね。

――リムルを演じるうえで心掛けていることなどはありますか?

岡咲:スライムの時は頭身も小さいのでちょっと潰れた感じの声にしています。あとは、スライムだと口も動かないので、人っぽくない要素として、空気を入れていない喋り方をしています。

逆に人間に姿を変えられるようになってからは、人間は多少の空気が含まれた発声をするぶん、声も若干柔らかくして、口の動きに合わせて微調整もしています。『まおりゅう』でも、ここはスライムですか、人型ですか、というのは確認させていただいて、それぞれに演じ分けたつもりです。

『転スラ』主人公・リムル役 声優 岡咲 美保さん

――岡咲さんはすでに『まおりゅう』をプレイされたかと思いますが、実際に触ってみての感想はいかがですか?

岡咲:感動しました。大西Pはすごい人なんだな、って(笑)。

大西:すごいのは開発メンバーですよ(笑)。

岡咲:本当に、『転スラ』に対する愛がすごいんですよ。まずグラフィックのクオリティがすごくて。スマホの中にこんなに鮮明な世界があって、しかもキャラクターもヌルヌル動いて、というので臨場感がありました。

さっきロード時間をなんとか短くして町に降り立つ要素を残した、というお話があったじゃないですか。技術力がすごいのもそうなんですけど、『転スラ』へのアツい想いからそういうものが生まれているんだなって知って、もっと好きになりました。

――『まおりゅう』を楽しみにしているファンに作品を紹介するとしたら、どこがポイントになりますか?

岡咲:自分の目線でキャラクターたちを動かしながらストーリーを進めていくというのは、『まおりゅう』でしかできない体験だと思うので、その臨場感を楽しんでほしいです。

アプリオリジナルのキャラクターも出てきますし、不思議な謎めいた世界観もあるので、これまでに味わってきたものとは違うハラハラ感で、新しい『転スラ』を楽しんでいただけたらいいなと思います。

――岡咲さんの感想のなかで、キャラクターがヌルヌル動くとありましたが、ビジュアル面での演出ではどのような点にこだわっていますか?

大西:これは杉本さんの前ではすごく言いづらいのですが……、アニメを超えよう、って(笑)。

杉本:大西さん、大きく出ましたね(笑)。

岡咲:同期入社の2人がバチバチしている(笑)

テレビアニメ『転スラ』プロデューサー 杉本 紳朗さん

大西:でもやっぱり、アニメのよさは取り入れつつ、それを超えようという気概で作ってはいます。3Dならではのカメラワークやエフェクトにこだわり、3Dだけどセルルック(※1)でアニメっぽく見えるように、風合いはアニメに近づけるようにしています。

※1 セルルック:セル画(2D)で制作されたアニメのような表現を実現する3DCG手法

――杉本さんから見て、本作の3Dモデルや動きの表現はいかがですか?

杉本:そもそも、アニメは2Dなので3Dになった時点で次元を超えられちゃっていますからね(笑)。僕もプレイさせてもらったんですけど、セルルックにすごくこだわっているな、というのは触っていて感じました。アニメを作る前にこれを見たかったな、って(笑)。

やっぱり、3Dでキャラクターが動かせるようになると、すごくイメージがしやすくなるんですよね。なので、『まおりゅう』をプレイしたらアニメ視聴者も『転スラ』の世界がもっとよく見えてくるんじゃないかなと思います。それぐらいすごかったですね。

大西:そう言ってもらえると、めちゃめちゃうれしいです。

杉本:アニメの設定として、『転スラ』は背景の描写が少し特殊で、カッチリとは描かない、絵画調みたいな風にしているんですけど、そういう部分もうまく表現してくれていると思います。

『まおりゅう』で描かれるオリジナルの物語

――『まおりゅう』の大きな注目要素として、オリジナルキャラクターが登場する本作独自のストーリーがありますが、こちらの見どころを教えてください。

大西:見どころは大きく分けて2つあります。1つは、自称リムルの娘であるシンシヤと、鏡の魔女・イジスという新キャラクターがテンペストの面々と接触し、それによってはじまる新たな物語というのが1つの大きなおもしろさになっています。こちらは原作者の伏瀬先生にも監修していただいているので、すごく奥の深いものになっていると思います。

それと今回は鏡の中の世界があって、スピンオフのような、本編では見られなかった仲間たちの新たな姿みたいなものが見られます。アプリオリジナルのビジュアル含めこちらも非常に魅力的になったかな、と。

シンシヤ
『まおりゅう』オリジナルキャラクター シンシヤ
イジス
『まおりゅう』オリジナルキャラクター イジス

――岡咲さんから見て、本作で登場したシンシヤとイジスの印象はいかがですか?

岡咲:シンシヤは、得体が知れなかったです。でもリムルの娘と言われても否定できない姿ですし、めちゃめちゃかわいいので、すぐ好きになりました。リムルもなんだかんだ仲良くやれるんじゃないかな、と。

イジスに関しては、今回の謎めいた世界観を背負っているキャラクターのような気がします。収録しながら「あまり近づきたくないお姉さんだな」って思っていました(笑)。ストーリーにどう絡んでくるのか、しっかりと注目していただきたいキャラクターですね。

――杉本さんはオリジナルストーリーにはどんなことを期待していますか?

杉本:やっぱり、ディアブロが鏡の世界でどう描かれるのかが……(笑)。というのは冗談ですけど、イラストだけを見ても印象的なものがたくさんあるので、それらが物語としてどうやって展開していくのかワクワクしますね。

これまでの『転スラ』でもタイアップなどはありましたけど、伏瀬先生監修のオリジナルストーリーはアプリとして初めてだと思うので、新しい何かが生まれるんだろうな、というのにはすごく期待しています。

『まおりゅう』は“あったらいいな”を詰め込んだゲーム

――最後に、『まおりゅう』を楽しみにしているファンの方々へのメッセージをお願いします。

岡咲:今回のインタビューで大西さんのアツい想いを聞いて確信したんですけど、『まおりゅう』は本当におもしろいゲームです。ちょっとでも気になっている方がいたら、ぜひ思い切ってダウンロードしてみてください!

ダウンロードして、1回町に降り立っていただいたら、きっと一気にテンペストが自分の身体に馴染んで、ここから冒険はじまるぞ、っていうワクワク感を共有できると思います。一度プレイしていただいたら好きになってもらえるゲームだと、自信をもっている作品なので、楽しみにしていてください。

杉本:今のところ、アニメとアプリで連動して何かをしよう、という話は明確には出ていないのですが、プロデューサー同士が同期なので、いつか実現できればと考えています。

きっと皆様『まおりゅう』が楽しすぎて夢中になってしまうと思うのですが、2022年の秋には劇場版『転スラ』もあるので、アニメのことも忘れないでください(笑)。

大西:原作小説のころから大ファンだった『転スラ』という作品の、“こういうゲームがあったらいいな”を全部詰め込んだアプリになっています。少しでも『転スラ』に興味のある方がやってくれたら、すごく楽しんでいただけるという自信があります。ぜひダウンロードして『転スラ』の世界に降り立ってみてください。

3名の集合写真

『まおりゅう』のリリースまでの開発経緯や、3者それぞれの思う『転スラ』の魅力を伺ったインタビュー前編はこちら↓

アプリゲーム「転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚」が気になった方はこちらをチェック! 

©川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
©柴・伏瀬・講談社/転スラ日記製作委員会
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

村田征二朗
1989年生まれのライター。しゃれこうべ村田、垂直落下式しゃれこうべライターMなどの名でも活動し、コンシューマータイトルやスマートフォンアプリのゲーム関連記事を執筆。原稿料の8割はプロレス観戦のチケット代に消える。