「DRAGON BALL Games Battle Hour」レポート:全世界のファンが熱中したオンラインイベントの全容

2021年3月7日、『DRAGON BALL』のあらゆる魅力を詰め込んだオンラインイベント「DRAGON BALL Games Battle Hour」が全世界に向けて同時生配信されました(一部の国と地域を除く)。合計12時間にわたる本イベントについて、前後編にわたり特集します。

全世界に向け配信された『DRAGON BALL』のオンラインイベントをレポート!

少年マンガの金字塔『DRAGON BALL(ドラゴンボール)』は、1984年の連載開始以来、世界中のファンに支えられ、原作マンガは累計2億6,000万部超 の発行部数を誇り、アニメーションは全世界 80 を超える 国と地域で展開実績がある世界的超人気タイトルです。数多くのゲーム作品も発売されています。

そして今年、2021年3月7日には、『DRAGON BALL』のあらゆる魅力をお伝えするオンラインイベント「DRAGON BALL Games Battle Hour(ドラゴンボールゲームスバトルアワー)」が行われました。

本記事では、終始ファンの熱気で包まれたイベント会場の様子を詳しくレポートします!

5つのチャンネルやバーチャルアリーナを開設。盛りだくさんなイベントの全容とは

「DRAGON BALL Games Battle Hour」は海外の時間にあわせ、日本時間2021年3月7日(日)早朝3時から配信が始まりました。

オープニングは孫悟空とベジータが激しく戦うムービーからスタート。さらに孫悟空役の声優、野沢雅子さんが「じゃあ、皆いくぞ…! 『DRAGON BALL Games Battle Hour』スタートッ!!」と宣言し、12時間超のオンラインイベントがスタートしました!

「DRAGON BALL Games Battle Hour」開会宣言を行った孫悟空役の野沢雅子さん
「DRAGON BALL Games Battle Hour」開会宣言を行った孫悟空役の野沢雅子さん

続くオープニングセレモニーでは、司会が番組の内容を発表。5つのチャンネルで『DRAGON BALL』に関するさまざまなコンテンツが生配信されました。

大猿アリーナ
チャンネル
海外向けトレーディングカードゲーム「DRAGON BALL SUPER CARD GAME」の各エリアのチャンピオンたちが集結したエキシビジョントーナメントや、スマートフォン向けゲームアプリケーション「ドラゴンボール レジェンズ」のエキシビションマッチ、Q&Aセッション、クイズなどのファン交流コンテンツ
神龍アリーナ
チャンネル
対戦格闘ゲーム「ドラゴンボール ファイターズ」の世界中のトップ選手によるチーム&ドラフトトーナメント
PRODUCER GAME CLEAR CHALLENGE歴代ゲームプロデューサー陣によるPS2「ドラゴンボールZ」クリアチャレンジ
DIORAMA ART CHALLENGEジオラマアート作家、情景師アラーキーさんによる12時間ジオラマ制作
MOSAIC ART CHALLENGEユーザーが選ぶ「ドラゴンボールゲームの最高の瞬間(Moment)」のスクリーンショットまたは写真を使ったモザイクアートチャレンジ

本イベントで参加者の注目を集めたポイントの1つが、大会開催中、ユーザー同士がオンライン上で応援・交流できた「オンラインアリーナ」です。オンラインによる舞台上には大型モニターが設置されており、参加ユーザーは自身の分身となるアバターで、感情を表す「エモート」機能などを利用しながら、熱い対戦を繰り広げる選手を世界中のファン同士で応援したり、『DRAGON BALL』への想いを共有し合っていました。

アバターは地球人、ナメック星人、サイヤ人、フリーザ一族、魔人族から選択でき、性別や、衣装の形・色を細かく設定することが可能。筆者はヤムチャ風の長髪地球人キャラで参加しましたが、会場でよく見かけたのはフリーザ一族や魔人族。髪型や体型など各々の好みにカスタマイズされたアバターが会場を盛り上げました。

さらに、かめはめ波、元気玉、フュージョンのポーズなどのエモート(動き)や、キャラクターのスタンプで他アバターとコミュニケーションをとることも! よく見かけたエモートはかめはめ波で、皆が撃つかめはめ波でモニターが見えないこともしばしば。見知らぬアバターとフュージョンが成功した時には離れていても同じ会場に参加している一体感を感じられました。ああ懐かしのフュージョン。小学生の頃は、よくポーズしましたよね。

これらのエモートのなかには、なんとスペシャルファイティングポーズも! 5人集まればギニュー特戦隊のフォーメーションが再現できるなど、ニヤリとしてしまう機能もありました。

ギニュー特戦隊のスペシャルファイティングポーズ。

そのほか会場には、桃白白の空飛ぶ柱や元気玉、大迫力の大猿ベジータや神龍3Dモデルなど原作の名シーンを再現した撮影スポットが用意され、あちらこちらでアバター同士が交流。会場はとんでもない熱気に包まれていました!

メインチャンネルではチャンピオンシップが開催。手に汗握る激戦が続く

イベントの目玉はアリーナだけではありません。オンラインならではの体験がデザインされた5つのチャンネルでは、とびきり熱いプログラムがそれぞれ展開されました!

まずはメイン会場となる大猿アリーナから。このチャンネルでは北米を中心に人気を集めるトレーディングカードゲーム「DRAGON BALL SUPER CARD GAME」エキシビジョントーナメントが開催! 2019年に世界各地で行われた「Championship2019」を勝ち上がった各エリアのチャンピオンたちが集結し、頂点を目指して至高の闘いを繰り広げました。

 『DRAGON BALL SUPER CARD GAME』の試合

同じく大猿アリーナでは、スマートフォン向けゲームアプリケーション「ドラゴンボール レジェンズ」のエキシビションマッチも行われ、2019年の世界大会に出場したトッププレイヤーたちに、運営開発チームが対決を挑みました。

エキシビションマッチの最終戦では、Muten選手率いる「サイヤ人襲来パーティ」とTOSHIプロデューサーの「劇場版キャラパーティ」がバトル! Muten選手は原作の「地球人襲来編」を再現したラディッツ・ナッパ・ベジータをピックしました。対するTOSHIプロデューサーは、フリーザ・BLUブロリー・GRNブロリーの盤石チョイス。いずれも強キャラだけにMuten選手が不利かと思いきや、着実に攻撃をヒットさせ、TOSHIプロデューサーのフリーザを撃破します。

しかし返す一手でTOSHIプロデューサーのブロリーがラディッツをノックアウト。一進一退の攻防が続きます。勢いに乗り、ブロリーは立て続けにベジータも撃破。残るナッパで健闘したMuten選手でしたが、最強のスーパーサイヤ人ブロリー2体の猛攻に成すすべなく、「ギガンテックフォース」で決着! TOSHIプロデューサーが勝負を制し、緊張が解けた安堵の表情を見せました。

「ドラゴンボール レジェンズ」エキシビションマッチではトッププレイヤー陣に挑みます

さらに同チャンネルでは、プロデューサーへのQ&Aコーナーや、アプリにまつわるクイズ大会も開催されました。

Q&Aコーナーでは、TOSHIプロデューサーが質問に答え、新キャラ開発の制作時間が3〜4ヶ月かかることや、スタッフのナッパ愛など制作の舞台裏が語られました。特に「孫悟空 身勝手の極意”兆”」の制作には苦労したそうで、作中最強クラスのキャラだけに、その強さを感じられるようエフェクトや技の調整に悩んだそうです。

続くクイズ大会では、2019年の世界大会に出場したトッププレイヤーや運営開発チームが再び登場。開発スタッフも答えられなかった超難問に挑みました。出題された問題は、一部マニアックなものも……。

①「主人公シャロットに伝授できない必殺技は次のうちどれ?」
 A:太陽拳 B:乙女ブラスト C:ギルティフラッシュ D:かめはめ波

②「ストーリー4部“戦慄の超セルゲーム”のなかでセルが使っていない技は?」
 A:魔貫光殺砲  B:ワイルドキャノン  C:デスビーム D: 四身の拳

⇒正解は、①A:太陽拳 ②A:魔貫光殺砲

これには出演者も眉間にシワを寄せ、「Oh, no!」と手で顔を覆う選手も。コメント欄には「Aかな?」「いやCでしょ!」と視聴者の考察や解答が投稿され、賑わいを見せていました。

もう一つのメイン会場である神龍チャンネルで開催されたのは、格闘対戦ゲーム「ドラゴンボール ファイターズ」のチーム&ドラフトトーナメントです。試合はナショナルチャンピオンシッププレイオフの選手が4つのインターナショナルチームに分かれて行われました。

各チームのキャプテンは、「ドラゴンボール ファイターズ」に実装されている43キャラクターからドラフト形式で自チームで使用できるキャラを獲得し、2ラウンド先取制で試合を進行。各チームに所属する、同じエリアの選手4名が総当たりで激戦を繰り広げました。

試合ごとに3対3のキャラが入り乱れて戦う様子は迫・力・満・点! コンボの応酬が息つく間もなく繰り広げられ、逆転劇が何度も起こるなど、参加者も視聴者も一瞬も気が抜けない展開が続きます。

激しい攻防が繰り広げられた「ドラゴンボール ファイターズ」チーム&ドラフトトーナメント

どのエリアでもハイレベルな攻防が繰り広げられましたが、なかでも最も盛り上ったのは、アークジャパン(日本エリア)における、Team Red かずのこ選手とTeam Green GO1(ゴーイチ)選手のバトルではないでしょうか。試合はGO1選手が終始リードする形で進み、第1ラウンドはGO1選手が先取しました。この展開に視聴者もヒートアップし、「そのめくり(ジャンプ攻撃と同時に相手との立ち位置を逆転させる操作)はすごい!!」「魅せるねぇ」とコメント欄が賑わいます。

続く第2ラウンドでもGO1選手は100Hitを越えるコンボを見せ、試合を有利に進めていきます。コメント欄も「鬼ラッシュ!!」と大盛り上がり。かずのこ選手も善戦しましたが、最後はGO1選手が孫悟空(GT)のメテオ超必殺技、「龍拳爆発」を繰り出しフィニッシュ!

試合直後にはピースサインをみせたGO1選手。2ラウンドを先取して実力の差を見せつけました。さらにこの試合が決定打になりTeam Greenが優勝! 手に汗握る長時間のトーナメントを制しました。

影山ヒロノブさんのライブやジオラマ制作などなど、多彩なサブコンテンツも配信

神龍アリーナ・大猿アリーナでは白熱したゲームバトルが繰り広げられましたが、「DRAGON BALL Games Battle Hour」の見どころはまだまだ盛りだくさん!

幕間となる日本時間朝8時のハーフタイムショーでは、なんとアニソンのレジェンド・影山ヒロノブさんがライブに出演! 「WE GOTTA POWER」と「CHA-LA HEAD-CHA-LA」のパフォーマンスの間には、「Arigato」「影山兄貴ィィィ!」「伝説降臨!」とファンも大盛り上がり! コメント欄が同曲の歌詞で埋め尽くされ、世界中のファンが合唱しているかのような状態に。

この熱気に応えるように影山さんは「イベントもまだまだ折り返し地点です。後半戦も見どころいっぱいなので、盛り上がっていきましょう!」とコメント。圧巻のパフォーマンスを締めくくりました。

影山ヒロノブさんのライブパフォーマンス
影山ヒロノブさんのライブパフォーマンス

さらに残る3つのチャンネルでもユニークな企画が進行していました。

歴代『DRAGON BALL』ゲームプロデューサー陣が挑戦したのは、12時間でのゲームクリアチャレンジ。攻略するのは2003年にPlayStation2で発売された「ドラゴンボールZ」。サイヤ人襲来編からセル編までを描いた本作を、なんとサイドストーリー込みでの “完全攻略” に挑みました。

プロデューサーが交代で担当しながら進んだ本企画。敵キャラに何度も倒されながら、不屈の精神で奮闘するその姿に、ファンのみなさんからもたくさんの応援コメントが寄せられました。特に目立ったのは海外視聴者の存在感です。コメントの大半は英語の書き込みで、ワールドワイドなプロデューサーの人気をうかがわせました。

モザイクアートチャレンジでは、ユーザーが選ぶ「ドラゴンボールゲームの最高の瞬間(Moment)」のスクリーンショットまたは写真を使って、悟空のモザイクアートを制作。

スクリーンショットは全世界から1万枚が集まり、地道な作業が続きました。最初は白紙だったパネルは徐々に埋まっていき、チャレンジ終了時にはかめはめ波を放つ悟空の姿が完成! その瞬間、見守った人たちの歓声が、画面の向こうから聞こえてくるようでした。

迫力のあるモザイクアートが完成

ジオラマアート作家、情景師アラーキーさんが挑んだのは12時間のジオラマ制作です。プラモデル『Figure-rise Standard』シリーズの孫悟空と孫悟飯を使い、多くの人の心を震わせてきたセル編の“親子かめはめ波”を完全再現します。ジオラマは、台座やかめはめ波のエフェクト込みの超大作。時間内に無事完成するのか、ファンもかたずをのんで、制作の様子を見守ります。

「このチャレンジは僕にしかできない」と意気込むアラーキーさん。道具や技法の解説を交えながら制作を進め、最終的には5分も時間を余らせて見事ジオラマを完成させました!

アラーキーさんは「社会人たるもの5分前行動を意識して完璧に済ませたい」と余裕のあるコメント。投稿欄は「YOOOOO NICE」「Amazing!」「subarashi」と英語の称賛で埋め尽くされました。

丁寧な作業を地道に続け、ジオラマの完成を目指します

12時間という長丁場で、数々の名場面が生まれた本イベント。最後まで熱狂の渦は衰えないまま、午後3時、配信は大団円に。ファンの方々からは、冷めやらぬ興奮の声がいつまでも溢れていました。

後編では、「DRAGON BALL Games Battle Hour」の制作スタッフを招き、イベントにかけた思いや制作の裏話を伺います。ぜってぇ見てくれよなっ!!

「DRAGON BALL Games Battle Hour」12時間の生配信に込めた熱意と舞台裏を制作スタッフが語る
後編はこちら!

取材・文/鈴木 雅矩
1986年生まれのライター。ファミコン時代からゲームを遊び、今も毎日欠かさずコントローラーを握っている。