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『ドリフトスピリッツ』7周年!制作陣が語る、クルマ好きに愛され続ける理由

クルマ遊びが持つ「愛車をカスタムする喜び」と「コースを自在に駆ける爽快感」を手軽に楽しめるレースゲームは、根強い人気を集めるジャンルです。 バンダイナムコエンターテインメントは、タッチ操作で簡単に楽しめるスマホ向けレースゲーム『ドリフトスピリッツ』(以下『ドリスピ』)を2013年にリリース。2020年11月には7周年を迎え、現在までに累計1100万ダウンロードを達成しました。記念すべき節目に、制作陣から開発や運営の裏話を伺います!

操作はシンプルに、爽快感は据え置きで。企画当初の開発秘話

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中西俊之

バンダイナムコスタジオ
第3スタジオ 第4プロダクション プロデューサー

入社後は、『風のクロノア』シリーズなどコンシューマーゲーム開発に関わる。『ドリフトスピリッツ』にはディレクターとして立ち上げに参画。自身もモータースポーツを楽しむクルマ好き。

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泉智久

バンダイナムコエンターテインメント
アジア事業ディビジョン 第1プロダクション 1課 マネージャー

『ドリフトスピリッツ』に立ち上げから参加し、2020年3月までプロデューサーを担当。自動車メーカーや漫画作品とのコラボなどをはじめ、プロモーションや交渉を推進した。

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伊藤翔平

バンダイナムコエンターテインメント
第2IP事業ディビジョン 第3プロダクション 1課 アシスタントマネージャー

2009年に入社し、スマートフォン向けアプリの企画・開発・運営を行う。2020年4月から『ドリフトスピリッツ』のプロデューサーを担当。

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松田璃子

バンダイナムコエンターテインメント
ビジネス戦略室 NEマーケティング部 NEプロモーション1課

プロモーション担当。『ドリフトスピリッツ』のTwitterアカウントも運用している。

ーーこのたびは7周年おめでとうございます! 『ドリスピ』はタッチ操作で簡単に楽しめることが魅力ですが、このコンセプトはどのように生まれたのでしょうか?

中西:立ち上げ当初はスマホゲームの黎明期で、「クルマをテーマに何か作れない?」と話が来ました。

はじめは車種とパーツを組み合わせて遊ぶカードゲームを作ってくれという話だったんですが、「クルマはコースを走らせて遊びたい」と考えました。一方で、ユーザーの間口を広げたいので操作感は極力シンプルにしたかった。ジャイロ操作※などさまざまな方法を模索した結果、現在のタッチ方式に落ち着きました。

※スマホに搭載されたジャイロセンサーを用いた操作

ーー『ドリスピ』は、コース上のラインに合わせて画面をタッチすることで、クルマが自動で曲がってくれますよね。リズムゲームに似た操作感で、レースゲームの初心者でも遊びやすいと感じました。

『ドリフトスピリッツ』の操作画面
『ドリフトスピリッツ』の操作画面

松田:レースゲームに馴染みがない人は「私でも操作できるかな?」と不安になるかもしれません。でも、操作はスタートラインでアクセルボタンを押して、コーナーで画面をタッチするだけ。手軽に操作できるんです。

中西:操作をシンプルにしたのは、クルマ好きが手軽に楽しめるアプリを作りたかったから。一般的にレースゲームは「操作が難しく、敷居が高い」と思われがちなので、ゲーム初心者にも分かりやすい操作にこだわりました。

とはいえ、「コースを走る疾走感」や「憧れの一台を所有する喜び」など、レースゲームの魅力は残したかった。そこで、バンダイナムコエンターテインメントが開発したほかのレースゲーム『リッジレーサー』や『湾岸ミッドナイト』シリーズのプログラムを利用して、挙動やドレスアップ要素に活かしています。そうしたらデータが重くなり、試作品ではバトル前のロードに毎回30秒かかってしまって(笑)。やりたいことと、遊びやすさのバランス調整には苦労しました。

中西俊之さん
ディレクターとして立ち上げに参画した中西俊之さん

泉:開発にはわりと苦労していて。スマホゲーム黎明期に開発したので、社内に前例がなく、正解が分からない状態だったんですね。そのため、リリース後はファンの要望を指針にしてアップデートを続けてきました。『ドリスピ』はファンに育ててもらったゲームだと思います。

7年間で登場車種は150台以上に! 開発の歴史がコラボを実現させた

CPオーダー画面
レースで手に入るポイントでクルマを手に入れることができる

ーー試行錯誤を経てリリースされた『ドリスピ』ですが、開発当初はダウンロード数が伸びず、苦労したとうかがっています。

中西:アニメや映画などを用いた“原作”があるゲームではないので、認知してもらうまでは大変でした。開発時も社内から「プロモーションのためにキャラクターを使ったほうがいいのでは」、「『リッジレーサー』の名前を出してみないか」と提案されていたんです。でも、僕たちはあえてオリジナルタイトルにこだわりました。

泉:原作や有名タイトルの名前を出せば作品のファンに認知されますが、ファン以外は手にとりづらくなり間口を狭めてしまいます。キャラクターの力に頼らなくても、クルマは日常的に乗っている人が多く、モータースポーツは人気文化になっている。だから勝機はあると思っていたんです。

中西:僕は逆に原作モノじゃなかったから、良い影響が生まれたと思っていて。原作モノだと制作サイドは「きちんと売り上げを出さなければ」とプレッシャーを感じてしまいます。完全新規タイトルだからこそ、自由度高くさまざまな試作ができました。

泉:プロモーションサイドでも自由度は高かったですね。東京モーターショーにも出展できましたし、さまざまなコラボも行っています。初動こそ苦戦しましたが、次第にクルマ好きのあいだで話題になり、Android版がリリースされ、『頭文字D』コラボを開催してからはユーザー数がグッと伸びました。

泉智久さん
2020年3月までプロデューサーとして参画し、プロモーションや交渉を担当した泉智久さん

ーー『ドリフトスピリッツ』は『湾岸ミッドナイト』などの走り屋漫画とコラボを頻繁に行っていますよね。メーカーさんとのコラボも盛んで、実在する名車も多数登場しています。現在はどれくらいの車種を登録されているのでしょうか?

中西:リリース当初は39台で、今は150車種以上です。グレード違いなどでさらに種類が増えます。同じ車種でも年式やグレードによって仕様を変えているので、データ管理が大変で(笑)。

ーーそれだけ多くのコラボを行っているだけに、許諾交渉は大変ではなかったですか。

泉:自動車メーカーさんとは、『湾岸ミッドナイト』シリーズ時代からの関係性があるので交渉はスムーズなんです。担当者の方にも遊んでいただいていますし、貴重な資料を提供していただくこともあります(笑)。

ーーまさしくメーカーさんからの「お墨付き」をいただいているんですね。

ゲームの垣根を越え、“クルマ好き”を繋げるアプリへ

伊藤翔平さん
2020年4月から『ドリフトスピリッツ』のプロデューサーを担当している伊藤翔平さん

伊藤:地道な制作姿勢はプラスに働いていて、他のタイトルと比べてもファンの熱量は高いです。『ドリスピ』ってクルマ好きのいろんな要望に応えられるゲームだと思っていて。愛車を眺めてもいいし、ランダムマッチでタイムを競ってもいい。パーツも豊富に用意しているのでカスタム好きもやり込めます。

ーーTwitterでも『ドリスピ』と検索すると、好意的な意見や熱烈な要望が多いですよね。「次は何が登場するのだろう?」と関心を向けられているタイトルだと感じます。

泉:オフ会も開かれていて、全国各地でファンが集まっているようです。Twitterでもオフ会の様子がたまに上がっていて、ゲームの中だけでなく外でもドリスピは楽しまれているんだな、と感じました。

松田:ファン層は着実に広まっていて、最近では「親子で楽しんでいます」とコメントをいただきました。コミュニティ化の動きに合わせて、最近ではTwitterも双方向のコミュニケーションを心がけていて、ファン同士が積極的に交流できるよう考えています。ありがたいことに、皆さんのお気に入りのクルマに投票してもらう「#ドリスピレアリティ解放車投票キャンペーン」では、「推しの車」という単語がトレンド入りしました。

松田璃子さん
プロモーション担当として、『ドリフトスピリッツ』のTwitterアカウントを運用する松田璃子さん

中西:ファンコミュニティが広がっていることは、個人的にすごくうれしいですね。僕はクルマ好きなので、ゲームの垣根を超えて自動車好きのコミュニティを活性化できたらと思っていて。

泉:昨今は若者のクルマ離れが進んでいると言われますが、『ドリスピ』が盛り上がれば「ゲームで遊んだクルマに乗ってみたい」と実車の購入に繋がるかもしれない。まだまだ根強い人気を持つコミュニティなので、ささやかながら後押ししていきたいです。

めざすは20周年、『ドリスピ』の進化は止まらない

左から松田さん、中西さん、伊藤さん、泉さん

ーー『ドリフトスピリッツ』は今後どのように進化していくのでしょうか? 7周年のキャンペーンや実装する機能を教えてください。

伊藤:目玉は要望が多かった「図鑑機能」です。所有していない車種も含めて3Dモデルを眺められ、スペックも確認できるデータベースになっています。ほかには、フレンドやチームメンバーを誘ってリアルタイムバトルができる機能の実装を行う予定です。

ーー7周年を迎えてもまだまだ新要素を追加していくんですね!

中西:まだまだやりたいことはたくさんありますよ。皆さんのおかげで『ドリスピ』は7周年を迎えられました。今後は10周年、20周年をめざしていきたい。スマホゲームはサービスが終了してしまえば遊べなくなってしまいますし、集めた車も無くなってしまいます。今まで支えてくれたファンのためにも運営を続けていきたいし、僕自身このゲームをもっと遊んでいたいんです。

『ドリスピ』はファンとともにつくりあげたゲームなので、ファンの声を大切にしながら運営を続けていきます。これからも引き続きよろしくお願いします!

タッチで簡単ドリフト体験、クルマ好きはぜひダウンロードを

「いずれは『ドリスピ』を全てのクルマ好きがダウンロードするアプリに」と話す制作陣はこれからもファンの要望を盛り込み、『ドリスピ』を進化させてくれるはず。

クルマ好きならダウンロードして、ぜひプレイしてみてくださいね。

【ドリフトスピリッツ】
▶︎公式サイトはこちら

▶︎ダウンロード 
→App Storeは こちら 
→Google Play™は こちら

鈴木雅矩
1986年生まれのライター。過去に350名以上の取材記事を執筆。領域は雑多ですが、近年はビジネス領域を中心に書いています。著書に『京都の小商い〜就職しない生き方ガイド〜(三栄書房)』。コンシューマーゲームとお酒と銭湯が大好きです。