子どもたちのアイデアで福島県・只見でファッションショー開催決定!『地元アソビつくり隊!』第1回企画が始動

子どもたちのアイデアで福島県・只見でファッションショー開催決定!『地元アソビ作り隊!』第1回企画が始動

バンダイナムコエンターテインメント発の地方協働プロジェクト・BNJ PROJECTが新たに取り組む「地元アソビつくり隊!」。全国の小学生から募集した、地元を盛り上げる“アソビ”のアイデアを実現させる応援プロジェクトの第1回優秀賞が「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」に決定! その実現に向けた企画会議の模様を密着レポートします!

全国の小学生が考えた「地元をもっと楽しくするアソビのアイデア」をカタチに

日本全国の人にエンターテインメントを届けたい、もっと日本を元気にしたいという想いから誕生した、バンダイナムコエンターテインメントによる地域協働プロジェクト・BNJ PROJECT

三重県木曽岬町との取り組み「やろまいマルシェ&夏まつり」の様子。
三重県木曽岬町との取り組み「やろまいマルシェ&夏まつり」の様子

これまでにも、各都道府県の特産品・お祭り・イベントと『太鼓の達人』をはじめとするキャラクターとのコラボ等を実施しながら、全国津々浦々で新しい“アソビ”を創出してきました。

その名も「地元アソビつくり隊!」。全国の小学生から地元を今よりももっと楽しい場所に変える“アソビ”のアイデアを募集し、そのアイデアを一緒にカタチにしていく応援プロジェクトです。

子どもたちのアイデアで地元をもっと楽しもう! 地元アソビつくり隊!のアイデア募集にチャレンジ!

第1回優秀賞は「JR只見線の車内でファッションショー」

「地元アソビつくり隊!」は2019年10月1日から第一回目の募集が行われ、各地でワークショップも開催。さまざまなアイデアを届けてくれた全国の応募者全員に「地元アソビつくり隊!」オリジナル隊員缶バッジと隊員証がプレゼントされました。

そして、ついに第1回優秀賞が決定! 受賞したのは、福島県只見町の角田杏さん(3年生)・角田春さん(5年生)・酒井湧司くん(6年生)・酒井健生くん(2年生)が考えた企画「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」。その内容は、JR只見線と只見町の会場を使って、地元の人たち、モデル、バンダイナムコエンターテインメントのキャラクターが一緒にファッションイベントを開催するというものです。

「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」応募用紙

BNJ×4人の発案者で、実現に向けた企画会議を実施

2019年12月19日、「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」の実現に向けた企画会議が行われました。アソビモット取材班も、その様子に密着。只見町に足を運び、BNJ PROJECT担当者と企画を発案した4人の間で行われた話し合いの内容をうかがってきました!

酒井湧司くん、酒井健生くん、BNJ PROJECT尾作慶一さん、角田杏さん、角田春さん
左から酒井湧司くん、酒井健生くん、BNJ PROJECT尾作慶一さん、角田杏さん、角田春さん

企画会議が行われたのは、只見町明和振興センターの一室。BNJ PROJECTから担当者の尾作慶一さんと坂本純一さんが参加して、角田杏さん・角田春さん・酒井湧司くん・酒井健生くんと「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」の内容について話し合いました。

企画会議の様子

最初はお互いに緊張が隠せない様子でしたが、学校や普段の生活の話を通して、少しずつ打ち解けた雰囲気に。お菓子や飲み物を囲みながら、会議は和やかに進んでいきました。

角田杏さん
角田杏さん

今回の企画を思い付いたきっかけは、杏さんが小学1年生の時にチャレンジした東京ガールズコレクションだったそう。その時は残念ながら落選してしまいましたが、ファッションイベントで地元を盛り上げたいという思いが「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」のアイデアに繋がっていると言います。

酒井健生くん
酒井健生くん

尾作さんが「只見のどんな良いところを伝えたいですか?」と聞くと、4人からは「自然がたくさん」「他の場所ではなかなか見られない動物や植物がいる」「人が優しい」等の答えが。全国のみんなに只見の良いところを知ってもらいたい、そんな強い気持ちが伝わってきます。

酒井湧司くん
酒井湧司くん

ファッションショーには、杏さんはもちろんのこと、地元のおじいちゃんお
ばあちゃんや友達にも出演してほしいという意見が出ました。

角田春さん
角田春さん

春さんから「只見の仕事着コレクション」をデザイナーにコーディネートしてもらい、今風の着こなしにアレンジするというアイデアが出ると、湧司くんと健生くんも「仕事着ばっかりだと飽きてしまうから、大人のモデルさんを呼んで最新のファッションも見せたい」と別の案を出し合い、みんなでファッションショーの内容について議論。開催場所についても、只見線車内だけでの開催では人数が限られてしまうため、別の広い会場でも同じ内容のイベントを開催したいという希望が出ました。

「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」企画会議の様子
企画書を見る角田春さん、杏さん

自由な意見が飛び交う、活発な話し合いとなった「地元アソビつくり隊!」の第1回企画会議。終わった後、受賞者の4人に感想を聞きました。

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角田杏さん

自分のやりたいことが本当に出来るんだなって思って、楽しみになりました。只見の仕事着を着た事のあるおじいちゃんおばあちゃんだけじゃなくて、着た事ない友達とかにも着てもらって、一緒に只見線のランウェイを歩きたい。

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角田春さん

応募した時はあんまり自信なかったけど、優秀賞を取れて嬉しいなって思いました。おじいちゃんやおばあちゃんが着ている仕事着を、オシャレに変えるのが特に楽しみ。只見を知らない人にも、只見の良いところを知ってほしい。

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酒井湧司くん

優秀賞を取ったって聞いた時はビックリしました。本当にこれが実現したら、只見にもっと人が来て、もっと良い町になると思う。只見の人にも来てほしいし、他の地域の人とか有名な人にも来てほしいです。

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酒井健生くん

賞を取った時はビックリしたけど、本当に実現しそうで嬉しい。只見の一番好きなところは、水がきれいなところ。人がどれくらい来るのかなって思うけど、千万人くらい来てほしい!

福島県の最西端・新潟県との県境に位置する只見町は、日本の原風景を残した美しい自然で知られる町。「自然首都」をキャッチフレーズにしており、大自然の中を走る只見線は、絶景が望める路線として世界的に有名です。

JR只見駅に停車する只見線

ただ、そんな只見町も東日本大震災や台風・豪雨の影響を受けて、只見線の寸断という大きな被害を受けてきました。4人が「地元アソビつくり隊!」に応募した理由には、2021年に予定される只見線の完全復旧に向けて、只見の良さを全国に伝えたいという強い思いがあったそうです。

地元・只見町への深い愛着と理解に加えて、国指定の有形民俗文化財「会津只見の生産用具と仕事着コレクション」を活用して、只見線車内でファッションショーを行うというユニークなアイデアが高く評価され、「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」が第1回優秀賞に選ばれました。

只見線只見駅沿線

実際に只見町を訪れると、噂どおりの美しい自然が出迎えてくれます。周囲を囲む山々、雄大に流れる只見川の水流、大きなブナやナラが立ち並ぶ森林……。希少な動植物の宝庫でもあり、カモシカやサルなどの野生動物を見かけることも少なくないと言います。

只見町の風景

2月8日、9日に行われる「只見ふるさとの雪まつり」の会場。日本有数の豪雪地帯としても知られており、その豊富な雪を活用した「只見ふるさとの雪まつり」には、県外からもたくさんの人が訪れて賑わいを見せるそう。

「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」の開催は2020年3月20日に決定!

企画会議によって、さらに具体的になった「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」。アイデアを考えてくれた子ども達と実際に話し合ってみた感想や、開催に向けての抱負について、尾作さんと坂本さんにお話を伺いました。

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尾作慶一さん

「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」は「ファッションショーに出てみたい!」という応募者さんの純粋な夢を実現するとともに、「只見の仕事着コレクション」や「只見線」などの地元の資産を取り込み、エンターテインメントに昇華している点がとても素晴らしいと感じました。

今回、4名の応募者の皆さんに「企画を実現させたい!」という想いを聞かせていただき、その熱気に驚きました。最初は照れからか、うまく話してもらえない場面もあったのですが、一旦アイデアの内容になると「只見の自然や、人のやさしさについて、広く知ってもらいたい」と次々にお話しする皆さんに圧倒されてしまいました。

地元アソビつくり隊!はまだ始まったばかりですが、全国の子どもたちの夢をかなえていきたいと考えています。地元の子たちの「やりたい」を地元の皆様と協力して実現し、多くの地域の活性化に貢献できればと考えております。

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坂本純一さん

企画会議が始まった当初は緊張した様子でしたが、会議が進むにつれて徐々に緊張も解け、意見を出しやすくなったようです。楽しいことを考える際の応募者の皆さんの笑顔が印象的でした。

今年は2月8日、9日に行われる『只見ふるさとの雪まつり』にもBNJ PROJECTとして参加し、「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」の告知を行う予定です。いつもの雪まつりとは違った展開にすることで、地元の方に「今年はどうして違うのか?」と疑問を持ってもらいたいと思っています。そうすることで、今回の取り組みを知ってもらうのが狙いです。

子どもたちが地元を考える機会をつくり、地元を知る中で地元愛を高め、子どもたちのアイデアを元に誰もが楽しめる地域施策を行う。地元アソビつくり隊!を通して、そういったサイクルを作ることが、エンターテインメント企業としての地域活性化になると考えています。

企画会議の翌日には只見町の観光商工課とも話し合いの場が持たれ、実現に向けて、本格的にプロジェクトが動き出しました。

左から只見町役場 観光商工課齋藤 充さん、鈴木 徹さん、BNJ PROJECT坂本純一さん、尾作慶一さん

アソビでもっと地元を楽しく 第一弾! ~只見をアソぼう、オシャレにアソぼう~ 只見町の子供たち発案!秘境路線「只見線」を使ったオリジナルイベント実施決定

<日時>2020年 3月20日(金) 14:40~15:30   17:00~18:00
<場所>JR只見線・只見駅、および只見振興センター

■タイムスケジュール ※2部構成となっています 
<第1部 只見駅 ファッションショー>
  14:00 只見駅  メディア受付開始&ブリーフィング
  14:40 只見線ファッションショー開始
  15:00 フォトセッション
  15:05 囲み取材
  15:30 終了
 
<第2部 只見振興センター ファッションショー&トークショー>
  16:00 只見振興センター 受付開始
  17:00 只見振興センター 第2部ファッションショー&トークショー開始
  17:40 フォトセッション&囲み取材
  18:00 終了
     ※スケジュールは、運営の都合により多少変更する場合がございます。

詳しくは「地元アソビつくり隊」公式HPをご確認ください。

町を挙げての一大イベントとなりそうな「しぜんしゅと・只見ファッションコレクション」は、2020年3月に開催される予定となっています。一体どんな催し物になるのか、乞うご期待!

【取材後記】
私は地方出身ですが、今は東京に住んでいるため、ついつい地方ならではの良さを忘れてしまいがちです。今回の取材では、全国各地の地元にそれぞれの良さがあり、その地元を愛して共に暮らす人たちがいるということを改めて実感できました。4人が口をそろえて話してくれた、地元を想う真っ直ぐな気持ちと、忌憚のない意見や自由なアイデア。そこには、今回のプロジェクトに限らず、多くの物事を成功に導くヒントがあるような気がします。

取材・文/青山晃大
1983年、三重県生まれのフリーランス・ライター。

撮影:山口真由子